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【オススメの一冊シリーズ】No.6 国際教養大学4年 井原 祥太
夏本番を迎え、キャンパスでは厳しい暑さの中、蝉の声が響いています。暑さが続く日々ですが、涼しい場所でゆっくり読書を楽しみませんか。
図書館カウンターで職員から直接おすすめの本を聞くこともままならない今だからこそ、本学の教職員?学生に「私がオススメする一冊」を聞きました。
シリーズ第6回は、本学4年生 井原 祥太さんの「オススメの一冊」をご紹介します。
プロフィール
井原 祥太
好きな書籍?著者:
- 夏目漱石「草枕」
- 中島敦「李陵」
- 手塚治虫「火の鳥」
- ユヴァル?ノア?ハラリ「サピエンス全史」
おすすめの一冊
セネカ (中澤務:訳) 「人生の短さについて 他2篇」 (光文社古典新訳文庫)
この本を選んだ理由
限りある人生。ある人は短いと嘆き、ある人は長いと悦ぶ。2人の何が違うのか、それは時間の過ごし方だとセネカは言います。
「過去の哲人に学び、英知を求めよ」
未来は予想外の連続。明日死しても不思議ではない。
過去は英知の世界。先人たちは人生の教訓を垂れてくれる。
数十年しか生きていない私たちだけでは、人生とは何か分かる筈がなく、不安に駆られて日々を過ごします。彼らの言葉に人生を学び、一日一日を一生懸命に生き抜くことで、現在という刹那は有意義かつ無限に広がっていく。「未来に頼らず、現在を逃さず、過去と向き合え。時間の主人たれ」
約2000年前を生きた古代ローマ哲学者の遺言は、僕の生涯の言葉です。
メッセージ
読書は時空を超えた精神の旅です。心血注いだ著者が何を思い、考え、後世に遺したかったのか。体の設計図が遺伝子として次世代に受け継がれるように、著者の思想や魂は本に磨き起こされ、幾星霜と読み継がれる。読者はその内を逍遥できる。特に古典には、何世紀もの間絶滅しなかったほどの比類なき価値があると思います。時代の荒波に負けずに絶えて色褪せない教養がそこには眠っているのではないでしょうか。
時には蝉の一生に似た儚さの内に出会える以上の景色を求めて、本世界に浸り、温故知新に親しんでみてはいかがですか。ただの文字の羅列が読者を感化し、現実世界を以前よりも美しく、恐ろしく、愛らしく、哀しく見せてくれます。
今回ご紹介した本は、本学の中嶋記念図書館で取り扱っています。本の詳細はこちらからご覧いただけます。
中嶋記念図書館では、本学学生と教職員を対象に図書購入依頼を受け付けているほか、本学学生を対象に図書郵送貸出サービスを実施しています。
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