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私の留学レポート:ブルネイ/ブルネイ?ダルサラーム大学 ?阿部 真千さん(1)~
国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。この「私の留学レポート」は、今まさに留学中の学生に、現地の様子や留学中の挑戦を、自分の言葉でレポートしてもらう企画です。
今回は、ブルネイに留学中の阿部 真千(あべ まゆき)さんのレポート第1弾をご紹介します。
皆さんこんにちは!グローバル?スタディズ課程所属の阿部 真千です。愛媛県出身で2020年春に入学し、2022年8月からブルネイのブルネイ?ダルサラーム大学に留学しています。
偶然の出会いと純粋な好奇心から
AIUでSDGsや環境問題を扱う科目を履修したことを機に、環境学をより深く学びたいと考えていました。ブルネイを留学先に選んだのは、当時の留学先大学リストの一番上にあったその国名が偶然目に止まったことがきっかけです。当時の私はブルネイの場所さえ知らなかったのですが、生物多様性に富んだ自然があること、石油や天然ガスを多く産出していることなどを知り、日本とは異なる視点から環境問題について学ぶことができるのではないかと考えました。今回の留学が海外初渡航だったということもあり、馴染みのない国へ行くのは不安もありましたが、最終的には未知の国への留学という純粋な好奇心に駆られ、志望大学の1つとして学内申請しました。
ソフトウェアを活用する授業にも挑戦!
留学先では、環境学に関する科目を中心に履修しています。既に終了した前半の学期では、履修した全ての科目でフィールドワークが行われました。熱帯雨林についての授業では、ブルネイの熱帯雨林?生物多様性に関する展示?ガイドを行っている施設を訪問し、そこで学んだことをもとに、熱帯雨林の構造や組成の分析、人類が地球規模で熱帯雨林から享受している生態系サービス(Ecosystem Services)※1についてのディスカッションを行いました。
実用的なソフトウェアを活用する科目も複数あり、「Physical Environment of Brunei Darussalam」(ブルネイ?ダルサラームの自然環境)という科目では、Google Earth Proを使って、過去と現在の土地被覆?土地利用図を比較しながら、人間活動が自然環境やその働きに与える影響を考察しました。
また、リモート?センシング※2や地理情報システム(GIS:Geographic Information System)※3についての授業では、ArcGIS Proというアプリケーションを活用し、統計データをもとに日本の人口分布や人口増減率を示した地図を作成しました。こうしたソフトウェアを使うのは初めてで、試行錯誤の連続でしたが、新たな視点で物事を捉えたり、より効果的に人に伝える手段が増えることはとても楽しく有意義な経験でした。
※1 生態系サービス:健全に機能している生態系から人類が得ている多様な利益の総称。森林による水の浄化作用、野生のミツバチによる自然受粉で育つ穀物など。
※2 リモート?センシング:対象には近づかず(リモート)に観測(センシング)する技術の総称。狭義には衛星や航空機による大気や地表の観測技術を指す。
※3 地理情報システム:位置情報を持ったデータ(都道府県別の人口など)を統合?分析するためのシステム。
日常に映る異文化
ブルネイではイスラム教が国教と定められており、広く人々に信仰されています。大学や街中の至る所にモスクと呼ばれるイスラム教の礼拝堂があったり、多くの女性がヒジャブ(イスラム教徒の女性が頭や体を覆う布)を着用していたり、スーパーやレストランではハラル(イスラム法上で食べることが許されている食材)認証の表示をよく見かけたりします。ミーティング中に現地の学生がお祈りにいったり、礼拝の時間を知らせるアザーンの音で目を覚ます、ということもありました。日本ではあまり見ることのない光景が日常の中に溢れていて、留学初期は目に映るものすべてが新鮮でしたし、今後もそうした生活の中で現地の文化や風習を少しずつ知っていきたいと思います。
文化の違いを感じることは多いですが、ブルネイでは寿司やラーメン、アニメや漫画といった日本文化が人気なので、現地でできた友人と日本食を食べに行ったり、一緒にアニメを観たりしています。自分の慣れ親しんだ文化を海外でできた友人と一緒に楽しむことができるのを嬉しく感じるとともに、私自身も日本文化をより深く理解し、しっかりとその背景まで伝えられるようになりたいと思いました。
今だからこそ分かるコミュニケーションの大切さ
AIUに入学してからの2年間は、ほとんど全ての授業がオンラインで行われ、対面でコミュニケーションをとる機会が限られていました。そのため留学前半の学期は、私にとって2学期目の対面形式の授業、そして海外での初めてのコミュニケーションの場となりました。最初はとても緊張していましたが、思い切って声をかけたことで生まれた人との出会いや得られた経験があり、コミュニケーションの大切さを身に染みて感じています。残りの期間も積極的にコミュニケーションをとることを大切に、人との出会いを通して自分の視野を広げていきたいと思います。また、様々な行事からブルネイの文化やイスラム教について学んだり、豊かな自然を楽しんだりと、今ここでしかできない経験をしていきたいです。この一年間でどれだけ自分を成長させることができるか、私自身とても楽しみですし、それを実感できるような留学生活にしていきたいと思います。
国際センターから一言
コロナ禍で直行便もなく、乗り継ぎ地点のシンガポールで一晩を過ごし、やっとたどり着いたブルネイ。初めての海外で心細かったのではないかと思いましたが、今回のレポートからは学びたかったことを思う存分に学んでいる阿部さんの様子が伝わってきました。文化や宗教の違う国で困難もあるでしょうが、ぜひ1年間という時間を有意義に過ごしてください。
国際教養大学ではコロナ禍で2年間、対面での交換留学が実施できませんでしたが、日本の入国制限緩和に合わせて今年5月以降、留学生の受け入れを再開しています。
英語版ウェブサイトでは、そんな留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。オンライン留学の期間も含めて、定期的に更新していますので、ぜひこちらもご覧ください。