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私のオススメ授業:修辞学(伊藤 花さん)
国際教養大学(AIU)の際立った特長の一つが「すべての授業を英語で開講していること」です。ただし、本学は「英語を学ぶ大学」ではありません。「英語で学び、英語で考える大学」です。
また、本学は一貫して少人数教育を徹底しています。教員と学生のコミュニケーションの機会を増やすことにより、自ら考え、意見を主張できる能力を磨いてもらうことを目的としています。
この「私のオススメ授業紹介」では、学生自身が「おもしろかった!」「ためになった!」「ぜひ受験生のみなさんにも学んでほしい!」と思った授業を、学生自身の言葉で紹介する企画です。
今回は伊藤 花(いとう はな)さんのオススメ授業をご紹介します。
科目情報
- HUM260 修辞学
- 教員:パトリック?ドーティ 教授
- 単位数:3単位
皆さん、こんにちは。伊藤 花です。今回紹介するオススメ授業は「修辞学」です!
「修辞学」とはどんな学問?
修辞学とは、弁論や説得の技法や法則などを追求する学問分野です。その歴史はとても古く、古代ギリシャや古代ローマにまで遡ります。より良いスピーチや効果的な話術を修得するために必要な知識や技術を、歴史上の様々なスピーチ例を通して、また実際に実習体験をしながら身につけていきます。
さて、ここまでの説明から、皆さんは修辞学と聞いてどのような印象を持ちましたか?私の説明を読んでみても、「えっ、それって何?」と思ったり、「なんだかとても難しそうだな」と考えたりする方も多いと思います。私もこの授業を履修するまでは、内容をざっくりと調べても「レトリックや修辞ってよく聞く言葉だけれど、具体的にはどのようなことを指すのだろう?」と疑問に思っていました。しかし、私がこれまでにご紹介してきた他の科目と同じように、修辞学もまた私たちの生活に深く根差している学問の一つなのです。例えば、日常において家族や友だちに何かをお願いするとき、皆さんは自分の意見を聞いてもらうために様々な比喩やことわざを使ったり、共感を持ってもらえるように自分の体験を話してみたり、はたまた実際の研究データや統計などを用いて説得力を持たせようとしたりしませんか?いろいろな方法を無意識に使っていると思いますがこれこそが「修辞学」なのです。この授業ではその技法について、様々なアプローチから学ぶことができます。
言葉の力を学ぶ
私にとってこの授業の面白い点は大きく二つに分けられます。一つ目は、実在する有名なスピーチを使ってその表現技法や人々の話術を学べるという点です。「私には夢がある」という一節で有名なキング牧師のスピーチや、「人民の、人民による、人民のための政治」で知られているリンカーン大統領の演説、また、映画や物語の一説などに含まれる美しく力強い言葉たちに触れながら知識を深めることができます。私も授業のある日は「今日はどのようなスピーチを分析するのだろう」と毎回ワクワクしていました。「この人は何を伝えたかったのだろう」、「どうして彼のスピーチにはこんなにも力があるのだろう」と考えながら先人や登場人物の言葉たちを修辞法の分類に基づいて分析しながら自分の視野を広げていくのは、まるで歴史上に生きた人々と直接会話しているような感覚で、皆さんも引き込まれること間違いなしです!
言葉の力を体験
二つ目は、身につけた知識や技法を自らのスピーチやプレゼンテーションで実際に使う機会があることです。この授業では実際にグループやペアで行うスピーチの機会があり、その中で自分の学びを応用させながら確実に知識や技法を身につけることができます。工夫を凝らした表現技法や説得力を持たせるための話術、そしてアイコンタクトやジェスチャーなど、学んだこと全てを活かしてクラスメイトとともに効果的なスピーチを作り上げていきます。他のグループの発表からも学べることが多く、それぞれが自分たちの学びを表現しようと意欲的に取り組んでいます。また、この授業で学んだ知識は他の授業や課題においてとても役に立ちます。AIUの授業では、プレゼンテーションやスピーチ、また論文を書く機会が多くありますが、それらすべてにおいて修辞学の技法を適用することができます。学びを応用させることで修辞学への理解をより深めることができ、自分の成長も実感できる、とても有意義な授業だと思います。
「言葉の力」を学び、ダイレクトに体験できる修辞学。皆さんもぜひ、その世界に足を踏み入れてみませんか?
パトリック?ドーティ先生からのメッセージ
長い歴史のなかで、修辞学は西洋の教育伝統の礎石となってきました。修辞学は、古典的には聴衆を楽しませ、閃かせ、行動させるための言語運用能力とされました。時を経て修辞学は、説得のメカニズムに関する批判的認識から、議論や討論を支える論理に至る学際的実践能力として発展してきました。修辞学では、学者たちが知的なコミュニケーション能力に磨きをかけ、議論と説得の技術をより効果的に実践することを奨励しています。
※実際のコメントは英語ですが、ここでは要約した日本語を掲載しています。