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私のオススメ授業紹介:ビジュアル?ポリティクス(井上 晃利さん)
国際教養大学(AIU)の際立った特長の一つが「すべての授業を英語で開講していること」です。ただし、本学は「英語を学ぶ大学」ではありません。「英語で学び、英語で考える大学」です。
また、本学は一貫して少人数教育を徹底しています。教員と学生のコミュニケーションの機会を増やすことにより、自ら考え、意見を主張できる能力を磨いてもらうことを目的としています。
この「私のオススメ授業紹介」では、学生自身が「おもしろかった!」「ためになった!」「ぜひ受験生のみなさんにも学んでほしい!」と思った授業を、学生自身の言葉で紹介する企画です。
今回は井上 晃利(いのうえ あきとし)さんのオススメ授業をご紹介します。
皆さん、こんにちは。井上 晃利です。今回紹介するオススメ授業は「ビジュアル?ポリティクス」です!
科目情報
PLS387 ビジュアル?ポリティクス
教員:ノア?ケオネ?ヴィエルネス 准教授
単位数:3単位
世の中を「映像」という切り口から考える
この授業は、政治分野の科目として初めての履修でした。世の中にある政治的?社会的メッセージを映像というツールを通していかに伝えるのかということを考えながら授業を受けました。この授業の課題は、「各々の興味のあるトピックを政治的観点から考えそれを映像にまとめて表現する」ことでした。
歴史と現代を繋ぐ映像の役割
この授業の面白いところは2つあります。
1つ目は、映像を通して、歴史的バックグラウンドと現在の政治的問題を2つの独立した「点」ではなく、1つの「流れ」として捉えることです。ノア先生は「ハワイの先住民族の歴史的な存続」と「現行の法制度の対立」をテーマに講義をしてくださいました。その中身は、従来の先住民族のあり方、社会変化による先住民族のあり方の変遷、そして現代に適応できず社会問題として扱われてしまう先住民族の姿を時系列で追っていくものでした。この時間的に流れている情報を映像というツールを使って分析することによって、政治的?社会的要素がより効率的に、リアルに伝わってくるので、映像が果たす役割を強く感じることができました。授業の前半は講義を通して映像の役割を考え、授業の後半は具体的にどのような表現方法があるかなどをディスカッションしました。
動画の自主制作プロジェクトに挑戦!
そして2つ目は、授業内で学んだ知識やアプローチ方法を組み込みながら、自分の興味のあるトピックを政治的な観点から、動画を使って効果的に表現するプロジェクトです。トピックは、手話、女性の社会的地位、Cookie、教育についてなど、ジャンルは多岐にわたります。私はダンスに興味があったので、ブレイクダンスに込められている政治的要素を分析し、自主制作動画にまとめました。動画であることの強みを活かし、ブレイクダンスの歴史と、現代社会においてブレイクダンスが社会的に与える意味について考え、それらを一つの「流れ」として伝わるように意識しました。完成後、クラス全員で鑑賞会を行い、お互いの動画にフィードバックをしました。「普段目を向けることの少ない社会問題に、2分程度の動画で人々は意識を向けることができる」、「国、性別、能力を超え、動画は人々に思いを伝えるツールになる」、「そして、それは政治において、大きな力を有する」ということを学びました。
「伝える」こと、それは、人が生きていく上で必要なことです。多様な価値観が容認される世の中ですが、思いどおりに自分の意志や考えを伝えるためには、アプローチ方法を工夫する必要があります。映像のもつ「伝える」力とその役割について深く考え、実践的に動画を制作し、動画に込めたメッセージを互いに共有し合うことで、アプローチ方法の幅を広げることができたと思います。