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私の留学レポート:ルーマニア?ブカレスト大学?高島 有紗さん(2)~
国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。良いことばかりじゃない、ときには苦しいことや辛いこともあるのがAIUの「本気」の留学です。ここでは、そんな学生一人ひとりのストーリーを自身の言葉でレポートしてもらいます。
今回は、ルーマニアに留学中の高島 有紗(たかしま ありさ)さんのレポート第2弾をご紹介します。
こんにちは! ルーマニアのブカレスト大学に留学中の高島有紗です。第2回のレポートでは留学先での生活や苦労したことをご紹介します。
教授と対等に意見を交わす授業
私が履修している政治学部の授業では、講義の他に、グループでのプレゼンテーションと、エッセイの提出を課される場合が多いです。英語でのプレゼンテーションやエッセイはAIUでもやっていたので、気づかないうちに留学の準備をしていたのだと感じます。授業の内容上、クラスには政治?世界情勢に興味がある学生が多く、ルーマニアの学生から、岸田政権や沖縄の米軍基地の話題を振られて驚きました。授業ではウクライナ侵攻やガザ地区の情勢はもちろん、台湾有事の話題にもなりました。教授と対等に意見を交わせる学生たちから日々刺激を受けています。
前学期は「Global Issue(地球規模の諸問題 ex. 政治暴力、社会的不平等、民族?宗教問題)」や「Global Justice(グローバルな正義論)」といった世界規模の問題を扱う授業を履修していました。今学期はヨーロッパやルーマニアに関する授業を多めに受けています。例えば、「External Action of the EU(欧州連合の対外行動)」や「Far Right and the Holocaust in Romania(ルーマニアにおける極右とホロコースト)」です。今まで馴染みがなかったテーマなので、とても興味深く取り組んでいます。
放課後は演奏会を鑑賞する
ブカレスト大学にはサークル?クラブ活動はないので、授業以外ではのんびり気ままに好きなことをしています。
私の住む首都ブカレストの中心部には、オペラハウスやコンサートホールがあります。どちらも寮から30分の距離にあり学校帰りに行くことができます。オーケストラ、ジャズピアノ、オペラ、バレエなど、色々なジャンルの演奏会を日本より安く気軽に楽しんでいます。ブカレスト国立歌劇場バレエ団には日本出身のダンサーが何人もいるようで、私が観に行ったプログラムの主役も日本出身の方でした。オーケストラのプログラムとしてはルーマニアの作曲家 George Enescu(ジョルジェ?エネスク)の作品が定番で、すっかり馴染みのある作曲家になりました。
気づきと挑戦の日々
都市部に住んでいることもあり、StarbucksやMcDonald、ZARAやH&Mなど、日本にもあるチェーン店をよく見かけます。韓国?日本食品の専門店も見つけました。キムチや納豆などがルーマニアでも食べられるとは考えもしませんでした。
一方でインフラ整備や治安については、日本との差を感じています。
例えば、ルーマニアでは水道水は飲めませんし、トイレにはトイレットペーパーを流せません。寮の設備も古くトラブル続きです。お湯が使えなくなったり、共同利用のIHコンロや洗濯機が故障したり、蛇口を捻ったら茶色の水が出てきたり…。半年前に壊れた乾燥機は今も使えません。このレポートを書く3日前にも部屋の鍵が壊れました。また、路上で物乞いをする人々を一日一回は見かけます。カフェで店内をウロウロする幼い子どもに物乞いをされたこともあります。日本より見えやすい格差に困惑し、この世の不条理に対しなすすべがないような無力さを感じてしまうこともあります。このように国ごとで見える光景の違いから、社会を構築する政治体制や社会制度について、より興味を持つようになりました。
他には手続き関連で苦労しています。ルーマニア国内での外国人の行政手続きや、ブカレスト大学側の留学生対応が確立されていない上、何より情報収集が難しいのです。特に滞在許可証の取得には苦労しました。日本人がルーマニアに90日以上滞在する場合は、ルーマニアの移民事務所で滞在許可証を取得する必要があります。しかし、インターネット上の情報は少ない上に古い場合が多く、申請手続きは4回やり直しました。滞在許可証を受け取りに行ったら、移民事務局オフィスが引っ越していたこともありました(許可証発行のお知らせメールで引越しを伝えてくれてもいいのに!)。
学校生活においてもトラブルは絶えません。留学オリエンテーションは開催されず、問い合わせメールへの返信も来ない状況で、最初は開講授業すらわかりませんでした。寮で出会った大学院生に時間割を教えてもらったり、現地学生のチャットグループに質問したり、周りに助けられながら生活しています。
残り3ヶ月の留学
ルーマニアでの生活も残り3ヶ月。徐々に終わりが近づいてきていて時の流れの早さにびっくりします。とにかく「住めば都」を実感した半年間でした。最近は日本から持ってきた調味料を使い切るため、日本食ばかり作っています。残りの期間、一日一日を大切に過ごしたいです。
国際センターから一言
海外で暮らしてみると、日本での「当たり前」が覆される出来事がよくあります。腹立たしさやストレスを感じることもあるかと思いますが、そのような機会を通して人間としての成長が促されることもあるでしょうし、同時に、周囲の人の温かさや日本の良さに気づくこともあるかと思います。その土地に暮らしたからこそ感じられる特別な体験をあと数か月十分に味わってきてください。
英語版ウェブサイトでは、留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。