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国際教養大学開学20周年記念式典が開催されました
7月20日(土)、Suda Hallにて国際教養大学開学20周年記念式典が行われました。国内外からお越しいただいた来賓の方々をはじめ、開学当初から現在に至るまで国際教養大学を支援してくださった関係者、親の会、卒業生、在学生など、約380名の方々にご参加いただきました。
開式にあたり、モンテ?カセム学長が式辞を述べました。「国際教養大学(AIU)は、開学に至るまでの大変厳しい道のりを多くの皆様のご支援によって乗り越え、2004年の4月に開学しました。『ゼロから立ち上げた中嶋先生の時代』、『カリキュラム改革を実現した鈴木先生の時代』を経て、バトンは私に渡されました。未知の感染症、地政学的リスク、気候変動、AIの急速な進歩など未来を見通すことが全くできない今日、これからもAIUは、科学技術と人間社会を調和し、グローバル社会の深刻な課題を他者と協力して解決していけるリーダーを輩出していきます。」「AIUの20年を振り返るといつも我々に喜びや感動、夢や力を与えてくれたのは学生でした。学生諸君の『自分達がこの大学を作るんだ』という強い想いと行動力がこの大学を支えてきたのです。そして、一人ひとりの学生の成長の裏には、ご本人の努力に加えて、ご家族、教職員、地域の方々、そして海外提携校の皆様の惜しみないご支援があることに深く感謝申し上げます。」と感謝の言葉を述べました。
次に、佐竹 敬久 秋田県知事が祝辞を述べられ、「グローバルリーダーの育成はもとより、多様な人々の協働による秋田県の新たな価値創造を実現させるイノベーションの拠点化を目指す国際教養大学の役割は、今後ますます重要になるでしょう。20周年という節目を契機に、グローバル人材の育成を通じて国際社会と地域社会に貢献するという原点に改めて立ち返り、これまで積み上げてこられた成果を礎に、一層、教育研究に取り組み、秋田県の知的?文化的拠点として、さらに発展されますことを期待しています。」と激励してくださいました。
続いて、伊藤 学司 文部科学省高等教育局長は、「国際競争が著しく進展する社会において、大学に求められる人材の育成、学術?文化の継承と発展、地域の社会?産業への貢献などに果たす役割はますます重要なものとなっております。特に、世界で活躍できる人材の育成は喫緊の課題であり、高等教育の機能強化を進めていかなければなりません。国際教養大学におかれましては、今後とも、教学理念に基づく『応用国際教養教育』をはじめとした先進的取組に挑戦し、我が国の高等教育における国際競争力向上の先駆者として牽引するとともに、地域とともに歩む公立大学として地域発展に貢献する大学になられることを大いに期待しております。」とエールを送ってくださいました。
その後、菅 義偉 衆議院議員による基調講演が行われました。菅議員は、「学生のみなさんへ送るメッセージ」をテーマに、秋田県雄勝郡秋ノ宮村(現?湯沢市)に生まれ育った自身の幼少期の思い出や、政界に入り政治的地盤がなかった時代にいかに人々に支えられたか、また、どのような思いで政治課題や地方創生に取り組んだのかなどを講演されました。
次に、アウトクロップ株式会社(秋田市?本学卒業生創業)が制作した20周年記念映像が上映されました。三代にわたる学長の力強いメッセージに加え教職員?在学生?卒業生のインタビュー映像では、開学当時の先駆者的精神から、時代に呼応した取り組みの進化まで国際教養大学の20年の軌跡が物語られ、参加された方々も感慨深く鑑賞していました。
続くパネルディスカッションでは「これまでのAIU」「これからのAIU」をテーマとし、秋田ノーザンハピネッツ株式会社代表取締役社長の水野 勇気さん(1期卒業生)、国連児童基金(UNICEF)ガーナ事務所所属の石田 百花さん(8期卒業生、オンライン参加)、在学生の伊藤 志帆さん(18期生)をパネリストに迎え、熊谷 嘉隆 副学長が司会を務めました。
伊藤さんは、大学が立地する秋田という地域性と、AIUでの学び方の特徴を関連付けながら「教室ではグローバルな視点で地球規模の課題を学び、キャンパスから足を一歩踏み出すと地方都市が抱えている様々なローカルな問題に取り込むことができる環境」に触れ、「AIUが秋田に存在する意義はとても大きい」と述べました。
石田さんは、「在学当時はあまり意識することができなかったことですが、AIUの学修環境はどこにでもあるようなものではありません。そこで得られた既存の枠組みに捉われない自由な発想と議論、それに伴う自己責任、仲間と過ごした経験はとても貴重なもので、改めて教職員や地域の方々への感謝を述べたいです。ここアフリカ?ガーナで働く現在もAIUでの学びが活きています。」と強調しました。
水野さんは、「初代学長の中嶋先生からは『日本人としての誇りを持つこと』について教わりました。」「私にとっては、この地域のために何ができるかを考えるきっかけになり、今の会社を秋田で立ち上げる原点になりましたし、これからも秋田のために何ができるかを模索して行こうと考えています。そういった意味で、秋田にAIUがなければ私の人生はまったく違うものになっていたと思います。」と振り返りました。
まとめとして熊谷副学長は、パネリストの言葉から共通して垣間見えるAIU生に共通する特質として、「挑戦心」「しなやかな強靭さ」「志」という3つのキーワードを挙げ、今後もこのような精神を学生?教職員に受け継いでいきつつ、AIUがさらに進化していく決意を述べました。
式典は渡辺 玲子 特任教授(ヴァイオリン)と坂野 伊都子様(ピアノ)による祝賀曲演奏で締めくくられ、終了後に会場の外では、AIU竿燈会による力強い演技が披露されました。
国際教養大学は、これからもグローバル社会におけるリーダーの育成を使命とし、さらに取り組みを深めてまいります。今後とも皆さまの変わらぬご支援?ご協力をお願いいたします。